介護が必要になったとき、在宅介護を希望する方は少なくありません。本人の意志を尊重したいと、在宅介護を選択する家族も多いです。しかし在宅介護は簡単にできるものではありません。大変さもしっかりと理解しておく必要があります。
在宅介護の大変さとして真っ先に挙げられるのは、精神的な負担です。介護を受ける方の中には、身体の不自由だけでなく、認知症の方もいます。そのため、物忘れが激しくなり同じことを数分起きに聞くので、その都度受け答えをしなければなりません。他にも徘徊などがあり、昼間や夜中の徘徊するケースもあるため、気の休まらないまま過ごすことも。また認知症によっては、暴言や暴力などで、介護している方の精神的ダメージは大きくなり、ストレスになったり先の見えない介護への不安、身内への負担の可能性も挙げらます。
次に、挙げられるのは肉体的な負担。介護をする方の多くは、介護をするにあたって同じ体勢を続けたり、ベッドへの移動やトイレの介助時などで腰や肩や膝に大きな負担がかかったりします。そのため、負担のかかってしまった場所を悪くしてしまい、自分自身が通院することとなったり、介護が出来なくなってしまったりなど私生活に支障が出るケースがあるのです。
そして最後は、自分の時間がとれないこと。在宅介護は食事の準備から食事の介助、排泄の介助や入浴の介助、脱着の介助など介護される方に合わせた介護が必要になるため、24時間一緒に過ごすことが出来るメリットがある反面、介護中は休めないといったデメリットがあります。特に、夜中の徘徊や排せつ介助などで十分な睡眠がとれないといった慢性的な寝不足になりがち。在宅介護では軽い介護度であっても認知症の方であれば多動になり、常に目が離せないこともあるので、介護度が軽いから介護も楽というわけではないのです。